【リーダー論】性格に難ありの“エース”を活かすには?|チームの心理的安全性と成果の両立法

✅ はじめに

どの職場にも、能力的に群を抜いた“エース”が存在することがあります。

  • 技術は抜群
  • 判断力もピカイチ
  • でも…性格にちょっと難あり

そんなエースの存在が、チームの業績を上げるどころか、逆に空気を悪くしている――そんな矛盾を感じたことはありませんか?

今回は、現場での実体験も交えながら、「エースの力を最大限に活かすチームづくり」についてまとめてみました。


🧠 1. 結論:みんなが普通でも“空気が良いチーム”が最強

「全員そこそこ」×「空気最高」=最強チーム

なぜなら、人は「心理的安全性」がある場所でこそ、創意工夫が生まれ、互いに弱点を補い合う文化が育つからです。


💀 2. エースの“孤立問題”とその皮肉

能力の高いエースが、以下のようなパターンに陥っていることは少なくありません。

  • 「何でこんなこと分からないの?」という無意識の圧
  • 他者の前での“公開処刑”コメント
  • できない人を責めることで自分の正しさを証明しようとする

このような状況では、メンバーは萎縮し、チームの学習と挑戦のサイクルが止まってしまいます


💡 3. 才能を孤立させない、リーダーの具体的アプローチ

✔️ (1) 指導のスタンスを変える

NGワード 言い換え例
「なんでできないの?」 「どこでつまずいた?どうすればうまくいきそう?」
「〜ができてなかったよね」 「ここ、次回こうしてみようか」

✔️ (2) 公開処刑を防ぐ伝え方

  • × スタッフのミスを他の人の前で指摘
  • 「その話、△△さんには直接フィードバック済だよ」で止める
  • 「こういうミス、誰でも起こりうるよね」と共有資産化

✔️ (3) 指導の目的は“正しさの証明”ではなく“相手の成長”

エースの自尊心は、「教え方」で満たす。

例:「後輩が“〇〇さんのおかげで成長できた”って言ってたよ」


🪄 4. エースの言葉を“別の人の口”から出させる裏技

  1. エースから1対1で意見を聞く
  2. 別のメンバーに同じ問いかけをする
  3. 「それ、実は〇〇さんも言ってたんだよね」と最後にだけクレジット

これによって、エースも満足し、チームも“自分たちで気づいた”という納得感が得られます。


🔬 補足:心理的安全性がチームの鍵だという“証拠”

  • Google「プロジェクト・アリストテレス」[1]180以上のチームを調査し、「成果の出るチームの共通点は“心理的安全性”」と結論づけた研究。
  • スタンフォード大学・成長マインドセット理論[2]失敗を恐れず、学びの機会としてとらえる風土が、パフォーマンス向上に寄与する。
  • MITヒューマンダイナミクス研究所[3]チームの知性(Collective Intelligence)は、個人のIQではなく、感情的知性と平等な発言が鍵。

「チームの強さは、IQではなくEQと空気感で決まる」
― MITヒューマンダイナミクス研究所より

  1. [1] Google Re:Work. Project Aristotle
  2. [2] Carol Dweck, Mindset: The New Psychology of Success, 2006.
  3. [3] Thomas W. Malone, MIT Sloan School, “The Collective Intelligence of Teams and Organizations.”

🔚 まとめ|エースは“孤高”ではなく、“希望”であるべき

エースが本来持っている力は、チームに光をもたらすものです。

しかしその光を受け入れるには、「信頼」「謙虚さ」「伝え方」が欠かせません。

それをデザインするのが、リーダーの役割です。

「才能があっても、育て合う環境がなければチームは育たない」
「誰かの“すごい”より、みんなの“よかった”が勝つチームが、強い」

そんなチームを目指して、これからも日々トライ&エラーしていきたいと思っています😊


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