上記の動画でご紹介したドル円のトレードの解説です。
日足チャート
週足
日足チャートでは、まず、一つ上の週足の動きについて確認します。
週足レベルでは、安値切り上げ→高値更新にて上昇トレンドを築いていましたが、直近安値を割ることで、そのトレンドをいったん崩した状態となっています。
週足の20SMAも下向きとなっています。まだ距離はあるものの、今にも上からレートを抑えてこようかという状況です。
週足トレーダー達は、機が熟せば戻り売りをしたい状況です。
具体的には、「日足のダウを見て、下降トレンドに転換したらショートをしたい」という思惑です。
日足
一方、日足レベルで見ると、安値切り上げ→高値更新から、上昇トレンドの真っ最中です。
日足20SMAもガンガンに上向いています。
ただし、日足20SMAとレートとの間には乖離が生じてきています。
また、日足20SMAにワンクッションした後の3波は、すでにN値まで伸び切っており、いつ反転してもおかしくない状態です。
日足トレーダー達は、「だいぶレートも伸びたし、週足MAも上から抑えてくるし、4時間足の動き次第で、そろそろ利益確定の売り注文を出そうかな」と、利益確定のタイミングを見計らっているところです。
4時間足チャート
4時間足では安値切り上げ→高値更新を繰り返しながら上昇トレンドを継続しています。
4時間足の20SMAは下からレートを支えてきており、まだ上昇に優位性がある状態です。
ただし、ガンガンに買っていける状況というのはすでに終わっています。
直近では高値を更新したものの、その更新幅が少なくなってきており、オシレーターなどを表示していればダイバージェンスが表示されているのかといった状態です。
また、ずっとチャネル内で推移していたレートが、チャンネルの下限を割っており、上昇の勢いが弱くなってきていることが示唆されています。
4時間足の20SMAも上向きから水平に近づきつつあります。
このような状況から、4時間足トレーダー達は、「基本的には押し目買いをしかけたいな。ただ、リスクリワードが悪いようなら辞めておこう」というように考えています。
1時間足チャート
1時間足レベルでは、安値更新→高値切り下げとなり、一旦の押しをつけていました。
ここから安値を切り上げてくるようなら4時間足トレーダーとしては押し目買いをしかけたいところです。
様子を見ていると、前回の1時間レベルのネックラインにて、レジサボ転換線を形成し、節目を形成してきています。
こういった強固なラインで支えられることでレートが反転することが少なくなり、エントリーしても負けにくい状態となります。
1時間足の20SMAも、4時間足の20SMAに向けて、収束から拡散に向かうポイントとなっており、レートが水平な1時間足の20SMAを上抜けていくところは、グランビルの法則からも上昇に優位性が生まれやすい状態です。
15分足チャート
先ほど見ていた1時間足レベルの安値切り上げポイントの中で、15分足でも安値切り上げ→高値更新から、15分足が上昇トレンド転換してきました。
さらに、上から押さえていた1時間足レベルの20SMAも、今度は逆に下からレートを支える状態となってきたため、ここでエントリーしました。
これにより、4時間足トレーダーは「押し目買いをしたい」、1時間足トレーダーは「新規で買いたい」「売りの利益確定の買いをしたい」「売りの損切りのために買いたい」となってきます。
さらに、1時間足レベルの直近高値を上抜けると、売っていたトレーダーはお手上げとなるため、完全に「売っていたポジションの損切りのために買いたい」となります。
このように、売り手も買い手もどちらも「買いたい」となるところは、ダブルの圧力がかかり、レートが伸びることになります。
損切りは、支えられた15分足レベルの直近安値直下に置きます。こうすることで、15分足レベルの損切り幅(リスク)で、1時間足レベルの利益(リワード)が狙えるリスクリワード比率の良いトレードが可能となります。
4時間足レベルでは、ガンガンに買える状況ではないため、利益確定の目標は1時間足レベルのN値としました。
想定リスクリワード比率は1対2となっています。
エントリー後
その後は順調にレートが伸びて、最終的に目標値まで到達しました。
しかし、この日は21時30分に指標があったため、指標直前に半分利益を確定しました。
指標を迎えたところで、残りの半分のポジションは、直下に動かしていた決済ラインにかかりました。
実際のリスクリワード比は1対1程度となりました。
この場合、安定して勝つには、勝率が60〜70%以上求められるため、今回は、長期的に継続するにはあまり良くないトレードとなりました。
勝率を多少落としてでも、利益確定をRR比2まで引っ張った方が良かったというようにも考えられます。
そもそもチキン利確するくらいならエントリーしなかった方が良かったとも考えられます。
ただ、日足・4時間足・1時間足・15分足と全てのトレンドが上に向くところだったので、勝率はかなり高いと考えられ、小さい値幅でもきっちり取れたというところで良いトレードとも言えるとも思います。
過去検証では、分割利確したりはあまりしないため、練習時のデータより実際のデータが悪化するのはこういうトレードのせいなのかもしれません。